研究計画
令和6年度
◆研究主題 (単年度研究)
「一人ひとりに最適な教育・校務を実現するための教育DXはどう進めていくべきか」
◆研究内容
一人一台端末環境は、もはや今の時代における学校の「スタンダード」であり、一般的になった。この新たな教育の技術革新は、多様な子どもたちを誰一人取り残すことのない構成に個別最適化された学びや創造性を育む学びにも寄与するものであり、特別な支援が必要な子供達の可能性も大きく広げるものとなっている。
また、一人一台端末の整備と併せて、校務にも統合型校務支援システムをはじめとしたICTの導入・運用が進められ、授業準備や成績処理等の負担軽減にも資するものとなり、学校における働き方改革にもつながって来ようとしている。
元々、視聴覚機器やICT 端末を使った授業づくりや校務が得意な教職員もいる。 しかし、その一方、ここ数年で一気に導入されてきたICT端末をどのように活用していったらよいのか、まずは自らが学びたいと考えている教職員もいる。今回の研究では、子どもたちにとっても、そして私たち教職員にとっても"誰ひとり置いていかない"一人ひとりに最適な教育・公務を実現するために教育 DXはどのように進めていくべきか考えていきたい。
具体的な研究内容としては、
1. 授業改善に関わる DX
2.校務に関わるDX
の2つのテーマに取り組む。
これまで蓄積されてきた研究成果を引き継ぎながら、より新しく、よりよい研究を深められるようにする。それぞれの研究テーマについて、部会員が実際に行っている実践や、新しいアイディアなどを部会員で共有し、管内の情報教育の質や児童生徒の各種能力の向上を図る。
◆研究方法
<日常的な研究推進>
・部会だよりを発行する。
・部会HPを作成(レポートの提示など)する。
・過去のレポートをGoogleDriveでいつでもどこでも閲覧可能にする。
・「学校アンケート」を継続して行い、情報教育の傾向と実態を分析・把握する。
<研究協議会に向けた研究>
・全員レポート(共同制作可)を実施する。
・分科会ごとに作成された実践レポートの交流を行う。
・先進的な「ICT機器の効果的な活用方法」について、講演会を実施する。
・展示ブースを設置し、先進的なハード・ソフトについて紹介する。
◆研究のまとめ
『石狩の教育』第70集に掲載の研究のまとめ全文は、以下のPDFよりご覧ください。
部会研究の成果と課題
1.成果
昨年度から分科会の持ち方を変え、少人数での交流に時間を割いたことで、どの分科会もより活発な研究協議になったことが大きな成果と言える。レポートの内容についてより深く協議できたことで、新たな発見やこれまで使っていたアプリケーションの多様な活用方法について知ることができたという声を多くいただいた。「ICTをまず使ってみる」という段階から、活用するサービスの精選や活用場面の検討といった「より効果的な活用」にシフトしている様子が感じられた。また、450人を越える部会員数のため、運営面・会場へのアクセス面など、解決すべきことは多々あったが、運営スタッフや部会員の協力のおかげで無事に終えられたことも大きな成果であった。ICT活用は、「個別最適な学び」「協働的な学び」の充実には欠かせない分野であるため、次年度以降も研究課題に迫っていけるよう取組を継続していきたい。
2.課題
講演会でも話題に上がっていた「共通したICT機器やサービス」という点について、石狩管内で足並みがそろっていないことで教職員間の取組の差を生んだり、負担感に繋がったりしていると感じた。どこにいても、異動先でも同じサービスが活用できるような環境が必要である。
部会員が作成したレポートは、端末の持ち運びやネットワーク問題などがあり、各自でレポートを印刷して持参するという対応を取った。印刷や帳合に要する時間の削減だけでなく、経費削減の観点からも、ペーパーレス化を実現していくことが今後の課題である。